同業種への転職の際の注意点

介護職に対する不安や悩みから転職を考えても、これまで身に付けてきた知識や技術が活かせなくなるのはもったいないと転職を諦めている人は少なくありません。介護業界では、これまで勤めていた介護施設を辞めて新たに別の介護施設で働くといった同じ業界の中での転職も多く行なわれています。ある調査によると前職がある人が介護職として働いている人の約8割で、介護職として直前まで働いていたという人がそのうちの約4割です。そのため、同じ業界内での転職が多いといえるでしょう。

前の職場を辞めた理由は、職場内の人間関係の問題が最も多く、加えて、職場である施設の運営方針への不満に条件の良い職場が他にあった、業務内容に対して収入が少ないなどが挙げられています。このように、転職を考える理由はさまざまですが、他の施設に転職する際には、そのままの理由を採用担当者に伝えては良い印象とはなりません。実際に職場に気の合わない人がいて働きにくかったとしても、それを伝えてしまえば、当然のことながら同じ理由ですぐに辞めてしまうのではないかという不安を与えてしまうことになります。よって、転職の際には、正直に転職理由を伝えてその上で自分の長所や介護業界で働く熱意をアピールすることと、今までのことにとらわれずに働く意欲を伝えることが重要です。とはいえ、短期間で転職を繰り返すといったことは転職活動では悪い印象となってしまうので、辞めたいと思った時には、ひと呼吸おいて現在の状況の中で学べることがないかということを考えることも大切です。けれども、経験から身につけた介護の技術や知識はどんな施設でも活用できるため、介護職は他の職種に比べてより良い条件ややりたい仕事内容の職場を見つけやすいといえるでしょう。